DJI Mavic Mini
手のひらサイズのフライングカメラ
200g未満で驚きの2.7Kの映像美
2019年11月に空撮界の話題を総ナメにした「Mavic Mini」。
DJI初の200g未満のドローンの登場は、DJIクオリティの高精細な映像美をより身近に楽しめるようになり、いままでドローンでの撮影に二の足を踏んでいた映像作家たちをも、関心の渦に巻き込んだ。
今回紹介するMavic Miniをレビューするのは、マルチメディアクリエイターの羽仁正樹氏だ。
以前からヘリコプターに搭乗したりDJIの上位モデルであるPhantom 4 Proを駆使したりと、空撮は得意分野だった羽仁氏。
撮影までの手続きがこれまでとは大きく異なるMavic Miniについて、
「『フライングカメラ』の別名の通り、気軽さ、手軽さ、価格を考えると大満足の商品です。
メイン機であるPhantom 4 Proを飛ばす前に、周りの状況を確認する偵察機としても使用しています。」と大絶賛。
手のひらに収まるコンパクトボディからは想像し得ない、Mavic Miniの大いなる魅力に迫る。
Mavic Mini テストシュート
撮影シチュエーション
時期
2019年11月22日~2020年2月24日
場所
千葉県御宿町、千葉県松戸市、福島県南会津、静岡県河津町
時間
午前中
この状況で撮影した理由
進化著しい200g未満ドローンの性能を試し、業務撮影で使えるか検証してみたかった。
制作フローの紹介
Mavic Miniのセッティング
Mavic Mini Fly More Combo を使用。
※プロペラガードは使用していない。
Mavic Mini以外に準備したもの
- 送信機に繋ぐiPhone X
- ドローン用アンテナブースター
撮影時に工夫したポイント
なによりもまず、撮影本番までに練習することがポイント。
操作に慣れるため、Mavic Miniをひたすら家の中で飛ばして練習した。
練習の甲斐もあり、逐一頭で考える事なく操作ができるようになり、撮影に集中できた。
ついで、ハンドリリースとハンドキャッチについても繰り返し自宅で練習しマスター。
Hポイント(離着陸ポイント)がいつも平地だとは限らないので、こうした一見地味な練習が実戦で役立っている。
ドローンは飛ばせる場所が限られるため、Mavic Miniはオペレーションも練習しやすいこともメリットだと感じている。
メイン機であるPhantom 4 Proだと、さすがに自宅では練習できないので。
Mavic Miniにハマるワケ

- 飛ばしやすい
普段使用している200g以上のPhantom 4 Proだと、離着陸や飛行音がそれなりに大きく、周囲にほとんど人がいないことに細心の注意を払っている。
一方、Mavic Miniは個体も目立たず、騒音も少ないため、Phantom 4 Proでは躊躇するような場所でも、ストレスなく飛ばすことができた。
例えば、福島県の雪山と鉄道橋に鉄道が渡る瞬間を捕らえようとカメラマンが大量に押し寄せる撮影スポットでは、大きいドローンは目立つので飛ばし辛い。だがMavic Miniは小さいので、他のカメラマンのプレッシャーを感じることなくドローン撮影に専念することができた。
ただし、間違えてもカメラマンより前にドローンを飛ばすことがないよう、最低限のマナーを守ることが必要であるため、風速を常に観察し、離発着位置は、カメラマンより後方か全く異なる場所を探すのが良い。 - 手続きが楽
200g未満のドローンなので、本来色々と申請が必要なシーンでのドローン撮影も手続きを簡略化できるケースがある。
例えば、Phantom 4 Proでは、飛行の際に原則として下記5点を求められる。- 国交省日本全国包括申請(注)
- 国交省イベント許可書
- 飛行計画書
- 撮影企画書
- 管轄警察への事前連絡
だが、200g未満のドローンの場合、3、4、5のみでOKなケースがある。
注……日本全国包括申請をすると、200g以上のドローンの飛行に際し、原則禁止されているDID地区(人口集中地区)、夜間飛行、人及び物件から30メートル以上離すことのできない飛行、目視外飛行について飛行許可を得られるが、例えば「河津桜まつり」のようなイベント会場上空の飛行は別途許可が必要になる。
申請の詳細は「国土交通省Webサイト『無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール』」へ。
今後Mavic Miniに期待すること
現在の2.7Kも想像以上にキレイですが、やはり一番望む事は、カメラの4K対応ですね。
写真もRAW対応してくれれば言う事はありません。
Creater's Profile

Name : 羽仁 正樹
マルチメディアクリエイター/サハ エンターテイメント 代表
東京をドメインに活動するマルチメディアエンターテイメント制作会社の代表を務める。
クリーンイメージの自然、アーバンイメージの都市空撮/ 都市風景を中心に4K/8Kの高解像度で取り揃え、全世界に向け提供。
日本の絶景を8K、ドローン、360VRなど先端機器を駆使して積極的に撮影する。
YouTubeのチャンネル登録者数1万人以上、Instagramのフォロワーも3000人以上を誇る。